サライの贈り物×リンベル
味處 よし村
石川県金沢
加賀百万石の城下町、金沢。能や茶の湯、工芸といった文化が花開き、そして現在にも根付いている。食文化もしかり。伝統の加賀料理はもちろん、庶民の台所、近江町ちょう市場を覗いても豊かな食がわかるというもの。美食家にとって、避けて通れない街でもある。ここ『味處 よし村』は、板前割烹ぽの名店。毎日市場に出向き、吟味した地元食材を本来の持ち味を活かして調理する。店に入ると、まず目に飛び込んでくるのは8mほどもある朱色のカウンター。その存在感に圧倒される。それも低めに造られているので、座っていても料理する様子が見える。これは“さらし”と呼ばれる造りで、料理人の自信の表れだ。手際の良さや清潔さまで、ひと目でわかる。旬の美味を味わうにはおまかせで食べるのが賢明だろう。このコースでも、造りや汁椀、煮物、焼物など、その日おすすめの料理が10品出てくる。加賀料理の定番から、四季折々の味覚まで堪能
加賀料理の代表格、治部煮には鴨肉の火の通し方が絶妙。やわらかく、風味豊かに仕上がっている。すだれ麩や生麩も、地元ならではの味わいだ。 春は白海老に白魚、山菜。夏は鮑や岩牡蠣に金時草、加賀太きゅうりといった加賀野菜。秋は鰈かれいやのどぐろに茸。冬はずわいがに、鰤、白子。四季折々に、多彩な味覚が堪能できる。