サライの贈り物×リンベル
鰻 駒形 前川
東京都台東区
窓の向こうは隅田川。そして駒形橋の向こうにスカイツリー。夕闇が訪れるころ、橋に灯りがともり、屋形船が川面を行き交う。
そんな下町情緒漂う駒形で江戸時代から続く店。隅田川の目の前にあるところから『前川』の名になったという。現当主で6代目。池波正太郎も子どものころから親に連れられて来たそうだ。
ブランドうなぎ坂東太郎を伝来のタレで焼きあげる
この店が使っているのはブランドうなぎの「うなぎ坂東太郎」。
自然に近い生育環境で、スケソウダラや生アジを餌にして健康に育て、最後に利根川(坂東太郎)の水に放して仕上げている。
脂肪の質、旨み、肉の適度なやわらかさは、天然モノに勝るとも劣らないという人も多い。
タレは江戸時代から代々継ぎ足して受け継がれてきたもので、原料は醤油とみりんのみ。砂糖を使わず江戸好みにさっぱりした味に整えている。シンプルだがなんともいえない旨みがあり、これこそが一朝一夕にはできない店の歴史が育てた味だ。
このコースは前菜プレート、鰻重、吸物、新香、水菓子のセット。ランチとしては、豪華な内容である。季節によって変わるが取材時はマグロとヒラメの刺身、フグの煮こごり、トコブシ、数の子。
うなぎは夏のイメージがあるが、寒くなって脂がのったほうが旨いとも言われる。季節をとわず、このご馳走を堪能してほしい。